5万4090人の大観衆がどよめいた。1-0で迎えた後半2分、東福岡高(福岡)は正面やや右の位置でFKを獲得。ポイントにMF中村健人(3年)が立つと、ピッチ上には異様な光景が広がった。
壁とボールの間にMF鍬先祐弥(2年)、DF小田逸稀(2年)、DF児玉慎太郎(2年)の3選手が並び、中村が助走に入ると同時に、ゴールに背を向けたまま肩を組んで一歩ずつ後進。4歩下がったところで突然しゃがみ込むと、壁の目の前に立っていた3人も同時にしゃがんだ。
「自分たち壁の役割はキーパーから見えないようにボールを隠すことだった」。鍬先はそう明かすと、「それが一発目で決まって良かったし、最高だった。あの位置で(FKを)取ったら、あのプレーをやろうと決めていた」と胸を張る。
國學院久我山の選手はタイミングをズラされ、壁はしっかりとジャンプできなかった。壁に入っていたDF野村京平(3年)は「『何すんの、何すんの』と思った。うまいとしか言いようがない」と舌を巻く。中村の右足から放たれたキックは低い弾道で壁を越え、ボールが死角になったGK平田周(1年)も完全に反応が遅れた。シュートはゴール左隅に一直線。鮮やかなトリックプレーで後半立ち上がりに追加点を奪い、試合の流れを決定づけた。
ヒントになったのは、夏の全国高校総体準決勝の立正大淞南戦だった。5-2で勝った東福岡だが、前半29分に同じ形でトリックFKを蹴られ、あわや失点というシーンをつくられた。中村は「壁が動いていて驚いた。立正大淞南はトリックプレーが有名で、警戒していたのに、気づいたらポストの横にボールが行っていた」と、当時の衝撃を振り返る。
「あれは真似しよう」。総体後はトリックプレーも意識し始めたが、実際の公式戦で繰り出すことはなかった。「選手権の難しい試合ではこういうプレーも必要になるということで、選手権の前から練習を始めた」。決勝前日にも練習したが、その精度は決して高くなかった。
「芝の長さに昨日は慣れていなかった。それまでは人工芝も多くて、助走は横から入っていたけど、それを(練習の)最後に縦に変えた。昨日の練習も最後はいい形で終われて、うまくふかさず、低い弾道で決められた」
練習で感覚を微調整し、本番で仕上げた中村。「1回戦とか2回戦では使わず、決勝まで取っておいた」。最後まで温存していた“秘策”。選手権決勝という大舞台で見事に一発で成功させたヒガシの10番はそう言って満面の笑みを浮かべた。-ゲキサカ-
壁とボールの間にMF鍬先祐弥(2年)、DF小田逸稀(2年)、DF児玉慎太郎(2年)の3選手が並び、中村が助走に入ると同時に、ゴールに背を向けたまま肩を組んで一歩ずつ後進。4歩下がったところで突然しゃがみ込むと、壁の目の前に立っていた3人も同時にしゃがんだ。
「自分たち壁の役割はキーパーから見えないようにボールを隠すことだった」。鍬先はそう明かすと、「それが一発目で決まって良かったし、最高だった。あの位置で(FKを)取ったら、あのプレーをやろうと決めていた」と胸を張る。
國學院久我山の選手はタイミングをズラされ、壁はしっかりとジャンプできなかった。壁に入っていたDF野村京平(3年)は「『何すんの、何すんの』と思った。うまいとしか言いようがない」と舌を巻く。中村の右足から放たれたキックは低い弾道で壁を越え、ボールが死角になったGK平田周(1年)も完全に反応が遅れた。シュートはゴール左隅に一直線。鮮やかなトリックプレーで後半立ち上がりに追加点を奪い、試合の流れを決定づけた。
ヒントになったのは、夏の全国高校総体準決勝の立正大淞南戦だった。5-2で勝った東福岡だが、前半29分に同じ形でトリックFKを蹴られ、あわや失点というシーンをつくられた。中村は「壁が動いていて驚いた。立正大淞南はトリックプレーが有名で、警戒していたのに、気づいたらポストの横にボールが行っていた」と、当時の衝撃を振り返る。
「あれは真似しよう」。総体後はトリックプレーも意識し始めたが、実際の公式戦で繰り出すことはなかった。「選手権の難しい試合ではこういうプレーも必要になるということで、選手権の前から練習を始めた」。決勝前日にも練習したが、その精度は決して高くなかった。
「芝の長さに昨日は慣れていなかった。それまでは人工芝も多くて、助走は横から入っていたけど、それを(練習の)最後に縦に変えた。昨日の練習も最後はいい形で終われて、うまくふかさず、低い弾道で決められた」
練習で感覚を微調整し、本番で仕上げた中村。「1回戦とか2回戦では使わず、決勝まで取っておいた」。最後まで温存していた“秘策”。選手権決勝という大舞台で見事に一発で成功させたヒガシの10番はそう言って満面の笑みを浮かべた。-ゲキサカ-

勝利まであと一歩だった。0-2から一時は3-2と逆転した作陽高(岡山)だったが、後半アディショナルタイムに失点。土壇場で3-3の同点に追いつかれ、PK7-8で惜敗した。
流通経済大柏を追いつめた。0-2の前半27分にDF山下裕司(3年)のゴールで1点差に追い上げると、後半23分、MF伊藤涼太郎(2年)の「無心で打ち込もうと思った」という右足ミドルで2-2の同点。同33分には伊藤涼が鮮やかなループシュートを決め、3-2と試合をひっくり返した。
鮮やかな勝ち越しゴールだった。左サイドでパスを受けた伊藤涼はドリブルで相手の股間を抜き、PA内に入ったところから右足でボールを浮かせ、GKの頭上を越した。
「イメージどおりだった。相手の股が開いた瞬間にボールを出して、GKを見たら前に出ていたので、浮かしたら入るかなと思った。打った瞬間、入ったと思った」
芸術的な逆転弾で勝利をたぐり寄せたかに思われた。「周りの選手には『これで勝てると思うなよ』と声をかけていたけど……」。勝利目前の後半アディショナルタイムにまさかの被弾。PK戦も8人目までもつれ込む死闘となったが、あと一歩及ばなかった。-ゲキサカ-
流通経済大柏を追いつめた。0-2の前半27分にDF山下裕司(3年)のゴールで1点差に追い上げると、後半23分、MF伊藤涼太郎(2年)の「無心で打ち込もうと思った」という右足ミドルで2-2の同点。同33分には伊藤涼が鮮やかなループシュートを決め、3-2と試合をひっくり返した。
鮮やかな勝ち越しゴールだった。左サイドでパスを受けた伊藤涼はドリブルで相手の股間を抜き、PA内に入ったところから右足でボールを浮かせ、GKの頭上を越した。
「イメージどおりだった。相手の股が開いた瞬間にボールを出して、GKを見たら前に出ていたので、浮かしたら入るかなと思った。打った瞬間、入ったと思った」
芸術的な逆転弾で勝利をたぐり寄せたかに思われた。「周りの選手には『これで勝てると思うなよ』と声をかけていたけど……」。勝利目前の後半アディショナルタイムにまさかの被弾。PK戦も8人目までもつれ込む死闘となったが、あと一歩及ばなかった。-ゲキサカ-
<101 Great Goals>
・日本で行われる年に一度の高校サッカーの大会で
水曜日、伊藤涼太郎が驚くべきゴールを決めた
<チェルシーサポ>
・何てことだ
<フランス>
・素晴らしい
・ウソだろ、これはカッコ良かった
<エクアドル>
・その子、やっつけられたな
・なんてこった!!!彼は2015年の初日に年間ベストゴールを決めちまった
凄いゴールだ!!!
※実際には12月31日に生まれたゴールです
・これはまさしく俺が得点するのを夢見ているゴールだ
<スコットランド>
・かなりの技術? むしろ卓越しているという感じだ!